手付金が無くなった。
手付金に限らず、現地にお金を預けたらお金がすべてなくなった、あるいは半分以上が使われてしまった、という相談はダントツで多いです。
非常に多い事例なのですが、一向に相談件数が減らないのが不思議なくらいです。
妻の親族にお金を預けたら無くなった
お金がらみで最も多い相談事例がこのパターンです。
この事例については、フィリピンの国民性が大いに関与していると思われます。
フィリピンの国民性として、少し乱暴な言い方をすれば、「宵越しの金は持たない」という精神に近いものがあります。
そのため、お金が入れば基本的には使ってしまう、というのがパターンとして多いのです。
これが良い、悪いではなく、そういうものだ、と思っていたほうが良いです。
フィリピンでは、親族、近所、みんなで助け合いのもと生活をする、というのが当たり前です。
そのため、お金が本当になくて困っていても、周りが助けてくれる、という側面があります。
逆に、お金があるなら、自分の周りや、親族に対して分け与える、という文化です。
そのため、良くも悪くも、将来的な蓄えとしてお金を貯める、という感覚はあまりありません。
都市部ではそうでない場合も多いですが、多くの場合お金があれば使う、ということが多いです。
妻の家族の長には逆らえない
また、フィリピンの文化として、一家の長には逆らえません。
フィリピン人の妻のために、あるいは、妻の家族のためにフィリピンに家を建てよう、と思ったら、現地の工務店を使うしかありません。
そのため、フィリピンにお金を送金することになるわけですが、殆どの場合、妻の家族が絡んでくると思います。
そうなると、預けたお金を妻の家族が使ってしまった場合でも、妻は反論できません。
当然、夫が現地の家族に文句を言うわけですが、言ったところでお金は戻ってきません。
つまり、預けてしまった時点で、無くなることを覚悟しなくてはならない、ということです。
もちろん、全てこのようなパターンになるわけではなく、実際にちゃんと家が建つ場合もあります。
ただ、この相談事例が非常に多い上、現地でも良く聞く話なので、やはりこのパターンは未だに多いのだと思います。
とはいえ、フィリピンや、ミンダナオに家を建てようと思ったら、他に選択肢が無いので、どうしても現地にお金を送らざるを得なくなりますので、なんとも難しいところではあります。
ちなみに、契約書だとか借用書だとか、預り証というようなものを作ったところで、使われてしまったらあとの祭りなので、ほとんど意味がありません。
お金の動きをどうするか、をしっかり決めておく
また、工務店と言ってますが、フィリピンの郊外では工務店とのようなものはありません。職人に直接依頼するような感じです。
私達が良く家を建てるミンダナオでは、職人が直接依頼を引き受け、知り合いの若者を呼んでブロックを積ませる、というようなパターンが多いです。
我々は、日本式の組織体制を作ってますので、法人でお金を引き受け、職人を雇い、支払いますが、一般的にはそうではない、というのを覚えておくと良いでしょう。
家を建てようと思ったら、まずお金の動きをどうするか?を考えておかないと、妻のためにと思って行動した気持ちも無駄になってしまいますし、お金が無くなってしまう、という現実的なショックも受けることになってしまいますので、安易にお金を預けずに、きっちりと形を作っておくことをおすすめします。